オメガの「シーマスター 300」がリニューアルを敢行した。1960年代風のクラシカルなデザインながら、マスター クロノメーター認定を受けるハイスペックモデルに生まれ変わった。価格は72万6000円〜。
オメガは、1957年の発表以来、ブランドを代表するコレクションとして親しまれてきた「シーマスター 300」をリニューアルした。
既存モデルとの最大の違いは、マスター クロノメーターを取得していることだ。マスター クロノメーターとはスイス連邦計量・認定局(METAS)によって認定されるもので、前提として、スイス公式クロノメーター検定協会(C.O.S.C.)の厳しいテストをクリアしたムーブメントの搭載モデルが対象となる。
さらに1万5000ガウスの耐磁性能をはじめ、日差0〜+5秒の精度や、6姿勢での精度誤差(時計の姿勢をさまざまな向きにした際に、地球の重力で生じる精度の誤差)など、8つの厳しいテストをクリアする必要があるのだ。つまり、マスター クロノメーター認定機とは、日常生活はもちろんのこと、強力な磁場でも高い精度と機能を維持し、かつ防水性能も備えていると認定された時計であり、文字通り、ハイスペック機の証明なのである。
最新性能を誇る「シーマスター 300」ではあるが、くり抜いた文字盤からインデックスを覗かせるサンドイッチダイアルを採用するなど、デザインはむしろ古典回帰だ。アラビア数字インデックスのフォントも1960年代のモデルで使われていたものである。
さらにSSケースモデルでは傷の付きづらいセラミックスではなく、古典的なアルミ製をベゼルに採用している。また秒針には先端が丸められたロリポップ針を使用。これも1950年代のオメガでよく見られた意匠である。
ブロンズゴールドのケースは、その名の通り37.5%のゴールドにブロンズのベースとなる銅、さらにパラジウムや銀、ガリウムなどを配合した独自素材の9Kゴールドだ。色味こそブロンズに似ているが、金やパラジウムを混ぜているため、素材としての安定性は格段に高い。一般的なブロンズ合金のような緑青が出ることはないという。
時計のケースに使用されるゴールドは18Kゴールドが主流となったが、9Kゴールドはアンティークウォッチでは度々使用されていた割金である。9Kゴールドという一見、古典的な素材ではあるが、その実態は現代的なハイテク合金というブロンズゴールドは、レトロ顔の新しいシーマスター 300にピッタリな素材である。
OMEGA
シーマスター 300
SSケース&ブレスレット、自動巻き、41mm径、77万円
OMEGA
シーマスター 300
ブロンズゴールドケース×レザーストラップ、自動巻き、41mm径、136万4000円