第25回モンブランスーパーコピー 代引き国際文化賞 日本における授賞式
1992年に設立された、「モンブラン国際文化賞(モンブラン・ドゥ・ラ・キュルチュール- アート・パトロネージ・アワード)」は、芸術・文化の世界において、情熱と献身を傾けて若い才能の支援を行うアートパトロンを讃える、世界でも唯一の文化表彰である。以来毎年1回、世界各国(本年度は、ドイツ、スイス、フランス、イギリス、イタリア、スペイン、ロシア、ギリシャ、アメリカ、メキシコ、コロンビア、ブラジル、中国、韓国、香港、そして日本の16カ国)で、各芸術分野の中でパトロンとして活躍している人々から、厳正なる審査の元、各国1名ずつ選ばれる。日本では、これまでアーティストのオノ・ヨーコ氏(2011)、歌舞伎俳優の市川猿翁氏(2013)、指揮者の小澤征爾氏(2014)、バレエダンサーの熊川哲也氏(2015)をはじめとする錚々たる人々に贈られてきた。四半世紀に届いた現在では、芸術界でも権威ある賞としての地位を築き「アート界のオスカー」の異名をとるほどとなり、審査員は各芸術分野で活躍する、著名人で構成されており、本年度の日本からの審査員は、デヴィ夫人、書道家の武田双雲氏、ダンスパフォーマー蛯名健一氏の3名が選出されている。
そんな栄えある「モンブラン国際文化賞(モンブラン・ドゥ・ラ・キュルチュール-アート・パトロネージ・アワード)」の日本における2016年度の授賞式が、12月21日(水)、東京・晴海の第一生命ホールにて開催され、25周年となる今年度の受賞者は、音楽・映画・出版・広告などメディアを越えて精力的に活動し、そのマルチな才能で日本人初となるアカデミー賞受賞など、様々な分野において活躍してきた坂本龍一氏が選ばれた。坂本氏は音楽や舞台芸術、絵画などあらゆるフィールドで活躍する、若きアーティストの才能を伸ばすプロジェクトを、数多く成し遂げており、楽曲リリースやコンサートを開催することで、多くの観衆へ彼らの才能を広めるサポートしてきた功績が、今回の受賞に繋がった。坂本氏は今回の受賞を受け「このようなプレスティージャス(名誉ある)な賞をいただいていいのだろうかという 気持ちでいっぱいです。歳を取ってくると上の世代の責任として、下を育てなければいけない。また一生懸命自分が色々やってきたことなど、経験を伝えるのも大切な役目だと感じています。過去受賞されているオノ・ヨーコさんや小澤征爾さん等と並んでしまうと僕なんかでいいのかという気持ちが強いですが、しっかり受け止めてこれからも精進して参ります。」と壇上でコメントを述べた。
またゲストオブオーナーとして、坂本氏と縁の深い村上龍氏が登場、坂本氏への受賞お祝いコメントとして「35年以上の付き合いですが、坂本は若手を育成することを意識していないかもしれないが、気に入った人には厳しい。それが若い人にとっては自然とトレーニングになっていると思います。」「坂本の作った音楽はどれも最高傑作、世界のあらゆる音楽の中で一番好きですね。お互いいつか一緒にオペラをやりたいですね。」と親しいお二人の間柄ならではのコメントを、多少照れくさそうにお話しされていたのが印象的だった。また坂本氏は、氏自身が音楽監督を務める東日本大震災を体験した小学生から大学生までの混成オーケストラ「東北ユースオーケストラ」の有志2名と『Merry Christmas Mr.Lawrence』『美貌の青空』の2曲を披露、村上氏がおっしゃった祝辞の通り、「珠玉の最高傑作」で会場中を圧倒的なパフォーマンスで飲み込んでいった。
当日は、モンブラン文化財団より、受賞者が支援する団体に寄付金15,000ユーロが贈られるが、坂本龍一氏は、その寄付先に授賞式の演奏でもコラボレーションした「東北ユースオーケストラ」を指定した。また、文化・芸術の発展に貢献した人物に敬意を表し、世界の歴史に名を残すアートパトロンに捧げてデザインされたモンブラン特別限定品「パトロンシリーズ」の万年筆のスペシャルバージョンが、副賞として授与された。2016年度の「パトロンシリーズ」は、20世紀アメリカを代表するモダンアートの収集家であり庇護者であった女傑、ペギー・グッゲンハイムにオマージュを捧げてデザインされたものです。このスペシャルバージョンの筆記具は、毎年受賞者の人数分と、モンブランミュージアムに永久保存される1本のみの生産となり、大変稀少なものとなっている。また、受賞者のイニシャルを刻印して贈呈されるため、世界に唯一無二の筆記具ともなる。もし同様な仕様の万年筆を販売するとしたら、日本円で150万円は下らない品となることは間違いない。世界史に名を残すアートパトロンのエスプリを集大成したこの万年筆は、授賞式セレモニーの当日、喝采の中、専用台座トロフィに据えられて、坂本龍一氏に贈られた。
受賞の主な理由として、坂本龍一氏は、日本の音楽家だが、彼にとって才能がある若い人材を支援することは自らの活動の中心に位置付けられており、これまでに数多くのさまざまなプロジェクトを発表し、音楽や舞台芸術、絵画、その他多種多様な分野のアーティストを支援してきた。この点に関して、彼は若いミュージシャンたちとの数多くの作品を発表し、数え切れないほどのコンサートを主催し、彼らの才能を大勢の聴衆に紹介してきました。山口市文化振興財団でアーティスティック・ディレクターの職責を担う坂本龍一氏は、各種のワークショップで自らの才能を次世代へ受け渡す形で同地域に住む子供たちの芸術教育に貢献している。彼は、ベルリン国際映画祭のタレント・キャンパスで世界中から集まった若い新鋭の音楽家に作曲を指導し、日本では音楽活動を通じて子供の成長を支援するなど、世界的な取り組みに携わっている。また、音楽の上演を通じて東日本大震災の被災者の心を元気付け、世界中で受け入れられる音楽家の育成とその活躍をサポートすることを目的として、東北ユースオーケストラの代表理事と監督も務めており、そのパフォーマンス活動への取り組みにより、彼は日本や世界中の人々に東日本大震災の教訓やその惨禍の記憶を伝え続けているところなどどれか一つだけを挙げても充分な授賞理由に値する業績をいくつも成し遂げていることから、25周年の記念受賞者として、これ以上相応しい人物を選ぶことはかなわないだろう、そう思わせる人選であり、改めてモンブランの持つブランドの知性とセンスが裏付けられた授賞式であった。